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(いもりねかだん) 募集案内 作品案内
■ 平成26年度の募集 入選作 発表
たくさんのご応募 ありがとうございました。以下の作品が入選されました。


日本の素晴らしい国柄を引き継いでいこう
学校法人四條畷学園 理事長 川 ア 博 司

日本政府観光局の発表によると平成二十六年上半期(一〜六月)の訪日外国人客数(推計値)は、前年同期比二六・四%増の六二六万四〇〇人でした。羽田空港発着の国際線が拡充されたことや、タイやマレーシアなど東南アジアからの訪日客へのビザの発給要件が緩和されたこと、円安傾向が続いていることなどが追い風になったと考えられますが、一番の理由は日本のお国柄がいいからだと思います。

駅できちんと列を作る。電車がきちんと来る。また、サッカーのブラジルワールドカップ第一戦でコートジボワールに逆転負けをした後、日本人サポーターがそれでもごみを拾って帰ったと日本人サポーターの「ファインプレー」が広く世界に発信されたことは皆さんも記憶されていることでしょう。

中国人観光客は中国のサイトに日本の感想を以下のように投稿しています。
  • ・日本は非常に清潔であった。空はとても青く澄んでいて、道路にゴミが落ちていない。都市部でも地方部でも、屋内でも屋外でも、ひいてはトイレまで非常に清潔であった。
  • ・ホテルやデパート等で親切で友好的なサービスを多く受けることができた。街中で道を尋ねた際も、日本人は親切に道案内をしてくれた。
  • ・日本人は温和であり、礼儀正しい。自己の利益のために他人を陥れるこということもない。交通ルールを遵守し、地下鉄やバスで強引に席を占めることもしない。
  • ・日本の伝統文化はとてもよく保たれており、今日に受け継がれている。日本の文化伝承は誇れることだ。伝統文化のほかに近代文化もとても発達している。マンガ、ドラマ、音楽も素晴らしい。
ところで皆さんはお父さんやお母さんから「そんなことをしたら人に笑われますよ」と言われたことはありませんか。「お天道さまが見ている」、「そんなことをしたら恥ずかしい」、と言われたことがありますね。法律に違反しなければ何をしてもいいということではないですね。しかし世界には、法律違反でなければ何をしてもいい、損得でしかものを考えないというところが多いのも事実です。

また、江戸時代末期から明治にかけて日本を訪れたヨーロッパ人が、欧米の大都市は不潔で物乞いが多くいたのに、日本は清潔でそのような人はほとんどいない、井戸水を飲んでも安全だし、泥棒もいないので鍵をかけなくてもいい。物質文明は遅れていても、こうした清潔さや治安の良さ、人々のやさしさ、道徳や倫理において素晴らしい、と異口同音に語っています。

こうした素晴らしい我が国の国柄が今日に受け継がれていることは、東日本大震災の折、被災された方々が忍耐力をもって助け合い、他の人を思いやる精神を持ち、行動されたことからも伺い知れます。しかしまた最近様々なニュース報道や身近なところで、こうした日本人としての素晴らしい特性が失われつつあるのではないかと思われる言動を見聞きするのも事実です。お互い、日本の素晴らしい国柄を受け継ぎ、勤勉で、礼節をわきまえた言動を心掛けていきたいものです。  



飯盛嶺歌壇 平成26年度 入選作品 紹介

厳正な審査の結果、以下の作品が入選作品として選ばれました。

【小学生入選作品】

【天 賞】
なにげないみんなと過ごす毎日がかけがえのない大切な時間
【地 賞】
見上げると大雨ザーザーふっているくつ占いは晴れだったのに
【人 賞】
一年生なんであんなにかわいいの手をつなぐとねうっとりしちゃう
五年前お姉ちゃんと登山した最後に私が手を引く番だ
【佳 作】
おみこしをみんなでつくるたのしいななつまつりのひにまにあったよ
さいきんはテニスをはじめうまくうてボールもはねるうまくできたよ
まるいけにこいやかめなどおよいでるトンボのやごもおよいでいたよ
かわいい子ぼくの妹ももの花みんなのものをぐっちゃぐちゃ
さんねんではじめてプールあかぼうしはやくしろぼうなりたいブルル
竹馬で一歩が出ると次々にゆう気を出せば広がる世界
おふろ前かみの毛切るの不安だよ体中がかみの毛だらけ
水泳のクイックターンむずかしい練習してたらかべに当たった
あめふるのあめふらないのあめふるのやっとみれたよきれいなはなび
林間でさかなつかみはニュールニュルテントでねようすこしブルブル
大空にキラキラ光る星一つみなをつないで空に飛び立つ
あじさいにそっとたたずむかたつむりわたしのきらいな雨をよろこぶ
ぱちんとね小さい星がかがやいたみんなを集め夜空に行った
星空の中に一つ赤い星別れをつげる空からみんなに
友達は力をくれる存在だ大きな心大きな力
教室に入るといつもにぎやかで心がはずむ楽しい日々だ
今年もね一年生が入ってきみんな笑顔だ学園スマイル
最近の世の中乱れ考える他人を想う気持ちいずこに



【中学生入選作品】

【天 賞】
風にのり香り漂う紅梅の染まりし頬は月に照らされ
【地 賞】
夕日背に今日も歩く通学路重いカバンに希望をのせて
被災地のいまだ残れる泥がれき言葉失い立ちつくすのみ
【人 賞】
天を指す三角切りのスイカたべみんなの顔が笑顔になるよ
縁側で静けさ響くたそがれや風が指揮する癒やしの音色
梅雨入りに降り続く雨曇り空のすきまの青い空に逃げたい
【佳 作】
学園の大きな庭園中央で季節の変わりを知らせてくれる
ゆらゆらと風にゆれるよ大根の大きい葉っぱ曲を奏でよ
雨降って体をぬらすアマガエル青くきらめく宝石のよう
雪景色林の中にてんてんと動物達の足跡続く
スポーツでみんな団結笑顔の輪国境越えて一つになれる
ただいまと宿泊研修終えた後母へ感謝気持ちを込めて
人は皆はじめの一歩を踏み出して自分の夢を捜しに行く
ブラジルで世界の人が歓喜するボールに込めた熱い魂
太陽は地球のまわりパトロールみんなの笑顔が消えないように
山の中霧の内進みて見えたるは日を受け光る雲海の朝



【高校生入選作品】

【天 賞】
雨の日に傘を忘れたふりをするこれが青春二人で一つ
【地 賞】
梅雨の空雨があがって虹がでてほほそめていく赤い太陽
【人 賞】
あと五分起きなさいよと母の声休み足りない月曜の朝
たわごとの一つや二つ言ってみて小さな希望夜の星くず
【佳 作】
ありがとう毎日お世話してくれて世界で一人の私の母
目が覚めて時計を見れば時間過ぎ行く気なくすも追い出されてく
忘れない夜空に写す光る華今年も見たい友と二人で
春が過ぎ桃色の花散ってから次に咲くのは夏の大空
ありがとう簡単なのに声に出ず照れかくしには皮肉のひとこと
公園の木々に広がる蝉しぐれ生きているよと力の限り
消費税八パーセント複雑に増える一円ふくらむさいふ
夏空に汗と涙のマーチング一つ一つと思い出がまた
お父さん猫はかっちゃダメと言うが自分もほれているじゃない
太るかもそんな心配してるのに無情にくるよ食欲の秋
たくさんの人の支えで生きてきた次は私が支えていこう
風吹けば音色涼しく風鈴が何をうたうか夕暮れ時に
あの頃のあの風景に今重ね未来のために何ができるか
妹と一緒に書いた願いごと届くと良いな天の川まで
電池切れ送れぬ気持ちを握りしめ駆けだして行く約束の場所
大変だ家事の多さがはんぱない母の偉大さ今身にしみる
心をひとつにし熱い戦い始まっていく
いざ出陣じゃつまみぐい母に阻止されまた策を練る
凍てついた朝の風が運びくる氷の割れるひびき幽かに
秋空に君想うたび嬉しさと切なさはらむ恋の風吹く
毎日の電車に君がいないかといつも探して早い電車だ
花よ咲け願った事もなつかしい一年前の淡い思い出
幸せをつかむためには何があれ笑顔絶やさず楽しむことだ
花火みて君の笑顔も横目みて空いてる右手つなぐ日くるかな
散髪屋人見知りにはきつすぎる唯一の武器は狸寝入り
「明日から」そんな口ぐせあきたんだ明日も明日には今になるから
画面上何でも知れるこの御時世本物見ずに満足できる?
自転車で春風の中くだってく髪とスカートなびかせながら
ダイエットすると決めては続かない食べてしまってまたも後悔
「ごめんね」とひとこと言へばすむものをなかなか言へない十七の夏
通学路毎日同じ道通る三年目またげんをかついで
十八歳生まれて初めてサプライズ思はずジワッと感動の涙
アジサイと葉の上にいるカタツムリ雨の雫できらきら光る
君想う視線が常に君見てる早く気持ちを言ってしまおう
休み時間机に顔伏せ眠る人授業よりも静かなクラス
家族よりずっと一緒の仲間たちみんなと居れる今を大事に
家族皆青ユニホームリビングで一致団結ワールドカップ
ありがとう気づけばいつも友達に助けられてて楽しめる仲
振り返る道はいつも荒れ果ててそれでも歩いた私は強い
あたたかいオーストラリア二つ目のステキな母国一生の宝
変えてやるこんな世の中絶対に悲しむ顔を見捨てぬように
今日くらいいいかと言って明日も食べお菓子くらいに自分に甘い



【短大生入選作品】

【天 賞】
思い出す久しい言葉掛け軸の小さな茶室に歩歩是道場
山見ては丘陵広し我が学園遠くに見えてまた美しきかな
【地 賞】
初めての保育園での実習でセミより響く五歳児の声
この国の代表として皆の期待背負って戦う彼らに拍手
【人 賞】
つまずいて涙を流した次の日は涙の倍の笑顔をみせて
祖父が言う最後に言ったアリガトウ涙がポロリ私が泣いた
【佳 作】
東日本あれから四年元気かな笑顔が素敵な被災地の祖父
雨上がり雲のすきまから光差し花の雫がなないろに輝く
夏の日の蝉の声ね(音)如き足音は部屋かけまわる若き力
毎日が切磋琢磨で夢追って輝く未来はすぐそばにあり
世界ではワールドカップ盛り上がる早くて見えぬ選手のワザ
友達が誕生日にくれたのは手紙と小物それから笑顔
朝起きて鏡の前で制服を着てない私新しい顔
友達と帰るこの道最後の日バイバイという言葉がふるえた
その味が日常的なははの味けれど今ではなつかしい味
炎天下去年の夏を上回る天気予報に心がおれる



【大学生入選作品】

【天 賞】
腰痛の父を見ていてふと思う最初の仕事は親を診たいと
十二時に携帯鳴り出す誕生日開けて落胆メルマガの文字
【地 賞】
朝六時いつも鳴ってる斜め上今日に限ってきみはスリープ
大阪で毎日思う親の事言葉で言えぬ感謝の気持ち
【人 賞】
日がさしてやさしくとどく木漏れ日が心伝わる朝のはじまり
朝目覚め時計を見るとまだ余裕次目覚めるとアウトな時間
【佳 作】
梅雨空に咲いた紫陽花眺めつつ自分の未来へかける虹色
あの坂を上りはじめて三ヶ月それより辛い解剖テスト
汗かいて毎朝みんな上り坂駅からバスを出してほしいな
青春だみんなでするぞお祭りだ現実みれば机の上に
しんどすぎ鬼の坂道毎日と夢追いかけるため今日も行く
タイムマシンあれば絶対行ってみる未来の自分何しているん


編集後記

『飯盛嶺』第十六歌集をお届けいたします。約千九百首の短歌を掲載しています。 歌集のどのページを開いてみましても、日常生活のなかで感じた作者の心や思いが表現されています。生きている自分を表現できることは幸せなことです。そして、共感してもらえる読者に出会うことは更なる喜びとなります。作者の心に思いを馳せ、ゆっくりと読み味わっていただけますことを願っております。きっと、四條畷学園で学ぶ児童・生徒・学生たちと心を重ねることができることと思います。その心の重なりが未来への発展に繋がることを心より念じております。

最後になりましたが、第十六歌集の発行にあたり、さまざまなところでご助力をいただきました多くの関係者の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

平成二十六年十月 

四條畷学園 飯盛嶺歌壇委員会 

小学校  大森 由夏
中学校  西
南 公美子
高等学校  牧谷 良太
短期大学  荊木 治恵
大 学 川上 永子
 

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