【短大生入選作品】
天 賞 |
風に舞う桜の道が消えるとき川に流れる春の残り香 |
柿本恵三子 |
一夜かけ抜け出せし羽根薄緑く短き夏に蝉の飛びゆく |
岡邨知子 |
地 賞 |
夏の夜の街の灯りに酔い痴れば夜空の奥に花火が踊る |
木原真由 |
金髪の学生だけど老人に手をさしのべる素顔の心 |
荒巻千陽 |
人 賞 |
瞳とじまぶたに映るモノクロの君の笑顔に過去をつなげて |
市村 仁 |
夕暮れのけむりただよう路地裏に灯りともりしわが町ありき |
鈴木雅美 |
街を出て砂のまとわる足運び鈴を鳴らして少年を待つ |
西海雅子 |
空見上げ黄昏色に染まりゆく街に寄り添い沈黙の影 |
日浦有希子 |
疲れたな慣れない服に慣れない靴今日も憂鬱にポストを探る |
吉田淑恵 |
蝉時雨響きわたった学舎も今年で最後学園の夏 |
強力由佳 |
佳作 |
天の川流れて揺れて彦星と織姫出会う七夕の夜 |
山口麗華 |
夕暮れに親子より添い影ふたつ何時もの道を急ぎ家路に |
砂尾佳那 |
蝉時雨遠い記憶に君の影思い描くは幻の夢 |
藪越麻衣子 |
ひとときの夢に酔いしれ歓喜する老いも若きも街にくりだす |
栗山貴江 |
たたずんで丘の上から見下ろせば空へと浮かぶ朝焼けの街 |
杉本希依 |
雨が降る梅雨の季節に花ひらく色とりどりに咲いたあじさい |
荒木麻里 |
試験の日鏡の前に立ってみて慣れない姿に緊張走る |
南 千絵 |
就職は落ちてもめげないあり地獄気持ちを入れかえまた履歴書く |
魚住えりこ |
内定が決まらないのは何でかな気持ちばかりが走ってるかな |
三木雅耶子 |
この街を離れた君をふと思う見上げた空はすきとおる青 |
橋本 藍 |
染まりゆく街を見ながら思い出す遠い昔の夕日のことを |
松本知子 |