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(いもりねかだん) 募集案内 作品案内
■ 平成25年度の募集 入選作 発表
たくさんのご応募 ありがとうございました。以下の作品が入選されました。


他人のために
学校法人四條畷学園 理事長 川 ア 博 司

 2020年夏期オリンピック・パラリンピックが東京で開催されることが決まりました。本当に良かったと思います。前回、1964年に東京でオリンピックが開催された時、私は中学生でした。開会式での日本選手団の鮮やかな赤のブレザーと白のズボン、スカート、真っ青な空に航空自衛隊ブルーインパルスが描いた五輪のマーク、今でも鮮やかに脳裏に焼きついています。

 1964年の東京オリンピックは我が国が見事戦後の復興を果たしたことを世界にアピールしたイベントであり、続いて行われた1970年大阪万国博覧会にかけ我が国は高度成長を遂げることになります。まさに坂の上の雲を目指し国民が挙って頑張った時代でした。

 現在我が国は少子高齢化の時代を迎え、失われた20年と言われる長期間のデフレによる景気低迷に悩まされてきました。ようやくアベノミクスと呼ばれる経済政策により景気は回復の兆しを見せています。さらに2020年の東京オリンピックを契機に再度坂の上の雲を目指す気概を持ちたいものです。

 ところで今回のオリンピック招致成功の要因としてIOC総会での最終プレゼンテーションが素晴らしかったことが言われています。高円宮妃久子様が冒頭東日本大震災の被災地支援への謝意を述べられ、佐藤真海選手が自分の経験からスポーツがいかに希望をもたらす力があるかを真摯に発言されました。また、滝川クリステルさんの「お・も・て・な・し」はとても印象深いものでした。最後に安倍首相が東京開催に国として責任を持つこと、日本の若者がオリンピックを契機として世界に出て行き、学校を作る手助けや、スポーツを通して多くの貢献をするだろうという言葉で締めくくられました。

 ともすれば自分のことをアピールしようとするため、他人のことに関心を持たない、自分勝手な言動をする人が増えています。今回のオリンピック招致活動における日本の成功は、安全安心が大きな要素であったことは言うまでもありませんが、「感謝の気持ち」、「他人のために」、「おもてなしの心」といったアピール(これは日本の国民性だと思うのですが)が世界の人の心を打ったのではないでしょうか。

 自分のためばかり考えていると、それは1人分のエネルギーしか生み出しません。他人のため、それもより多くの人のことを考えて行動するとそれはそれだけ多くのエネルギーを生み出すことになります。またそのように他人のために頑張ると、結局その人の評価が高まり、自分のためになることにもなります。

学園に集う皆様、「他人のために何ができるか」を考えて、行動しようではありませんか。  



飯盛嶺歌壇 平成25年度 入選作品 紹介

厳正な審査の結果、以下の作品が入選作品として選ばれました。

【小学生入選作品】

【天 賞】
見渡すととても景色が最高で最後の舞台がんばる私
【地 賞】
あいさつのその一声で変わるんだ体と心元気いっぱい
【人 賞】
六年生何でも最後悲しいな楽しい思い出いっぱい作る
学校で笑顔いっぱい思い出も人のつながり離さないでよ
【佳 作】
なつまつりぶたいでうたいはずかしいでもたのしいな二ねんもがんばる
やすみじかんいちりんしゃをがんばっただからごうかくてがみをもらう
えんそくでやまへいったよたのしいなろくねんせいとてをつないだよ
ならいごとおちゃとおはなたのしいなせいざであしがしびれていたよ
たまごやきやいたらジューッといいにおいおなかがすいたひとくちあじみ
にゅうがくしきともだちたくさんさくらみたさんすうだいすきともだちだいすき
うめの実をさとうにつけてシロップにあまくなあれとまほうをかけた
なつまつりざーっと雨がおかあさんにげるのはやいおいつかないよ
にげたからとらがりあたまなったけどみなにほめられおとうとわらう
あおいそらひこうきぐもをおいかけてどこまでいくのまだつづくなつ
のぼりぼうてっぺんめざせてとあしをちからいっぱいはたらかせるよ
ホタルはねよるにダンスをおどってるちかちかおしりひからせながら
わたがしはしろくてふわりくもみたいくちに入れるととけてしまうよ
何をかくそれはもちろんないしょだよそれは何なのだれもしらない
横の山虫取り木の葉いいもりやうぐいすの声聞こえてくるよ
たんぽぽのわたげふわふわ飛んでいるいったいどこで花咲かすかな
りんかんでほくとしちせいくっきりとそらにおおきくかがやいている
夏の風風鈴の音やすらぎの音色がチラリ心が休む
夕立がふってくる時風鈴とひぐらしの声止まりゆく時
夏祭りお店出すのが楽しみだ金魚すくいに一円落とし
おとうさんすきなきょくかけノリノリだついついのってわたしもおどる
山登り一年生と手をつなぎしんどくなっても登り続ける
いつもなら真っ暗になる七時頃今は夕焼けきれいにみえる
夏の夜キラキラひかる星空に手をのばしてもとどかぬその手
こよみ見てまだかまだかと待ちのぞむすぎてしまった一度父の日



【中学生入選作品】

【天 賞】
夏休み置きっぱなしの一ヶ月寂しがってる私のカバン
【地 賞】
今日だけは先頭を歩く妹をたくましく思うきもだめし
コンチキチン祇園ばやしにさそわれて浴衣着ていく古都京都
【人 賞】
うらを見せおもてを見せて散るもみじ秋の夕日にキラキラと散る
お客さん起きてください終点です目覚まし時計は運転手さん
プリントが積もりに積もり倒れそう机の上のあべのハルカス
【佳 作】
手を見ればバカだった頃を思いだすこれは自分の生きた結晶
わたがしに顔をうずめて笑顔咲く甘い香りが鼻をくすぐる
暑さゆえ庭の花木もおじぎして水をあたえて背すじのばして
あふれだす三年分のありがとうたくさんの人に今伝えたい
いつもの朝いつもの道にいつもの人このふうけいも今日の思い出



【高校生入選作品】

【天 賞】
期待大不況な今を回復に経済成長アベノミクス
【地 賞】
取り上げるそう言う母もはまってる便利で邪魔なスマートフォン
【人 賞】
夏祭り浴衣身に付け髪上げて気合い入れるが誰とも会わず
モノクロの鍵盤の上に指をのせそこから紡いだ私の気持ち
【佳 作】
恋愛は乙女にとって大切なやすらぎの場の一つなんだよ
お父さん仕事のときはえらい人家に帰ると母が上司ね
高校生自分で決めようその判断やっていいこと分かるでしょう
気がつけばあっという間の三カ月全てがガラリnewサイクル
帰り道電車の中で笑うためわざと各駅乗りました
テスト前親に言われる「勉強は?」今からやろうと思っていたのに
夏空に一筋走るひこうき雲空にそびえる入道雲
この気持ち恋に恋して熱くなる夢を夢見たあなたひとすじ
やさしさは他者との間に成り立って自分だけではうまれない
蒸し暑い首を滴る汗ぬぐい気持ちあらたに前向いて行く
日が落ちる前のわずかな茜空1人見上げて鼻歌うたう
夏まつりみんなで着付けメイクしてこの日はみんな乙女に変身
友達とケンカばかりの毎日で日に日に友情深まっていく
スーパーのおかし売り場に一直線幼いころと同じ行動
認め合いケンカし合って助け合いそんな仲間に出会えたキセキ
試合の日必ず母が渡すものファイトと書いた梅のおにぎり
ありがとう簡単なのに声にでず照れかくしにはひにくの一言
朝起きて家を出たとき願うこと今日もいい日でありますように
空を飛ぶ夢を見ていた次の朝気付けばベッドの下に落ちてた
振り向くな後ろを見ても何もない前を見つめて走り出せばいい
授業中眠気に耐えていたはずがチャイムの音で戻る現実
黒板を消すとき思うさみしさを毎年あがる背のびのスキル
大阪人なんでもツッコミ入れたがるみんなで一緒になんでやねーーーん!
株沸騰アベノミクスに効果あり?せめて三年続かせようね
徹夜していつも思うはこの言葉なぜあの時にやらなかったの
月光を浴びると歳が若返る聞いた私は母をベランダへ
朝起きて今日の課題に気が付いたまあとりあえず朝飯食おう
真夏の日汗水たらして夏期講習華のJK枯れたりけり
頑張るか何回言ったかこの言葉言った数だけ頑張れている
本当に悲しいときは涙さえ出てきはしない心壊れて
帰り道空を見あげる茜色もうすぐ月がむかえにくるね
お風呂場で歌うとなぜか隣からハクシュじゃなくて罵声飛ぶ
つまずいて歩みを止めてしまうより本気で走って転んでみたい
最近は雨が全然降らないなどこにいったの梅雨入り宣言
手にいれた不倶戴天の敵を倒す科学兵器ゴキジェット
「いい匂い」パン屋の前を通るたび匂いにつられ「いらしゃいませ」
夏休み家族みんなで海に行き水に溺れてテンション下がる
化粧水腫れたその顔アレルギー初めて使うが二度と使わぬ
夢を追う静かな姿勢我が未来(じんせい)来たる日を恋い胸膨らます
シットダウンドンタッチミーオーマイガー毎日英語かっこええやろ
大学生目指して頑張る受験生未来に向けて歩む人生



【短大生入選作品】

【天 賞】
おしゃれより遊園地より昼寝より心おどらす子どもの笑顔
畷の地その地に立つは子ども達恩恵受けて未来へ生きる
【地 賞】
夏の日に学舎につづく坂のぼるなぜか不安をなくしてくれる
帰省して見慣れた街に安堵するやっぱりここは私の故郷(ふるさと)
【人 賞】
母の日に感謝をこめてプレゼントそっと一言ありがとうっと
だれにでも秘めた憧れ見つけいくいつか夢を追い越せるまで
【佳 作】
保育者になるためならば惜しまないこの努力はねいつか輝く
ふと思う永遠なんてないんだな親とすごせる限られた日々
夏風のほのかなかをりますますと保育の道も近きものかな
先生と初めて呼ばれ嬉しいな必ずなるぞほんとの先生
この場所で出会えた友に伝えたい笑顔の日々をいつもありがとう
久しぶり実家で食べる夜ごはん母が作ったポテトサラダ
いつもなら言えない言葉今日だけは素直に言うよありがとうと
友達は勇気をくれる宝物はなれていてもつながる絆
雨降ればぽつりぽつりと音が鳴る雨がやんだら子どもの声に



【大学生入選作品】

【天 賞】
辛いとき瞳を閉じて思い出す私を照らす家族の笑顔
太陽に照らされ眠るかぶとむし月が照らせば行動開始
【地 賞】
あの人を尊敬しつつ超えたくていつも競った今は思い出
街中が赤から白へ移りゆく空より堕ちる堕天使の羽
【人 賞】
空高く見上げて夢を追いかける果てなく追いかけ叶えてやるぞ
君のこと好きではないと言い聞かせ涙流れる夕暮れの下
【佳 作】
戻りたいあの球場に帰りたいすべてが終わったあの夏の日に
オモイダセこれまでのこときっとそう過去の努力が次の一歩に
岡山の山奥にあるダムの下八人組と笑った二月
オムライストマトの香りたまらんななつかしかったおふくろの味
春が去り憂鬱になる通学路蜂や蝉が行く手を阻む
写りだす日々の私の疲れ顔いつかは見たい夢叶う顔


編集後記

  『飯盛嶺』第十五歌集をお届けいたします。小学生から大学生にいたる児童・生徒・学生の短歌作品をはじめ、保護者の方々からの出詠作品や教職員の作品にわたる約1,550首の短歌を掲載しています。
 四條畷学園で学ぶさまざまな年代の子どもたち、そしてそれをあたたかく見守る保護者や教職員、どの作品からもかけがえのないひとりひとりの命の息吹を感じとることができます。歌集『飯盛嶺』には、瞬間の命の真実の姿が切り取られ表現されています。ふとした時間の隙間に、さらには未来にわたって読み味わっていただけましたらこれほど嬉しいことはございません。

 最後になりましたが、この『飯盛嶺』が四條畷学園の全学的な歌集として発行を重ね、本年もその歩みの一歩を刻むことができましたのも、ひとえに関係者の皆様のお力添えのおかげと心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

平成二十五年十二月

四條畷学園 飯盛嶺歌壇委員会
 

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